音楽系

iZotope RXのリペアツール一覧

iZotope RXをご存知ですか?筆者はとても気に入って使っているオーディオリペアソフトです。iZotope RXのオーディオリペアツールってたくさんあって、どれを使って良いのか分からない事があり、下記にまとめてみました。

iZotope RXとは

iZotope RXとは、iZotope社が開発販売するオーディオリペア用のソフトウェアで、録音時に入り込んでしまう雑音を除去したり、録音同士をつなげた時に入り込んでしまうプツプツとしたノイズ等をキレイに取り除くことができるツールです。

Elements / Standard / Advanced の3種類と、サブスクリプション型のProがあります。

RXのインタフェース
元の音声にVoice De-noiseをかけた後

細かな調整はそれぞれのツールのコントロールパネルでできるのですが、RXのすごい所は、ソフトが録音を自動的に分析して最適に補正してくれるところです。

Voice De-noiseのコントロールパネル

左上の[Learn]をクリックしてRXに分析してもらい、右下[Render]を押すだけの操作です。

RX Elements v8(1つ前のバージョン)が安く出ていました。

上記は筆者が使っているiZotope RX Pro for Music 9.2.0の画面ですが、Voice De-noiseはElementsにも付属されています。

RXはどんな時に使うと便利?

筆者は、自分の楽器のアンサンブル動画をYoutubeにアップする活動を行っておりますが、録音の修正にもってこいです。リモートアンサンブルの用に各メンバーが宅録したものを送ってくるような場合は、メンバーごとに入り込んでいる雑音成分が異なります。DAWのトラックに取り込む前にある程度の地ならしとして、雑音除去とノーマライズをRXで行っています。

演奏会の録音でも使います。ADAPTIVE Modeを使う事で、リアルタイムにノイズ除去を自動調整します。RXでも録音機能があって、2chまでならこれ一本で録れますが、マイクを複数本使う場合は、DAWで録音します。RXはDAWにインサートして使う事ができます。録音だけなら編集時に行えばよいのですが、特にリアルタイムで配信するような場合はこのモードが重宝します。DAWにインサートすることも、OBS側にインサートする事もできます。

ZoomやGoogle Meet、Teams等のオンライン会議にも使うことできます。仕掛けは多少複雑になりますが、RXを雑音調整した音声を出すことでエアコンのノイズ等を除去しながら相手に声を送ることができます。

リペアツールの種類と概要

画面を立ち上げると右側にたくさんのツールがあり、どれを選んでよいのかわからなくなってしまうことがあります。以下にリペアツールの機能と概要を表にまとめてみました。

実は、この他にユーティリティツールや測定ツールなどもありますが、今回はリペアツールのみご紹介します。

ツール機能概要
Repair1Breath Controlボーカルの録音等に含まれるブレスを検出して抑制する事ができる。
2De-bleedボーカルがギターのマイクに漏れたり、ヘッドフォンに送られたクリックトラックが他のマイクに漏れるのを軽減する。
2つのトラック間の関係を学習して軽減させる。
3De-click音声の振幅の不規則性を分析し、それを平滑化する。
デジタルエラーによるクリック音、口の中の雑音、携帯電話の干渉など、短いインパルスノイズを除去する。
4De-clip録音レベルのPEAKを超えてクリップした音を修復する。
5De-crackle処理したい音声信号に小さなクリック音が数多く含まれているような場合に効率的。上記、3のDe-clickをかけた後に処理をするさらに効果的。
6De-essDe-essは、S、F、X、SH、柔らかいC、の発音で生じる高周波のシビランスを減衰させる。
7De-humACノイズや電気的なバズ、電磁的なトーンノイズを除去する。単純なハムノイズに最適なスタティックモードと、複雑なハムやバズに適したダイナミックモードがある。
8De-plosive
9De-reverb大きな大聖堂のような音を小さなホールのように聞こえさせたりする事ができる。
10Guitar De-noiseギターの演奏に関連して発生するノイズをコントロールできる。
11Interpolate4000サンプル以下の個々のクリックを修復するために使用される。
12Mouth De-clickMouth De-clickは、クリック音や唇鳴らし音などの口元ノイズを検出し、低減させる。長い音声を選択した場合に使用するように設計されているが、個別のクリックを除去するためにも使用できる。
13Music Rebalance機械学習アルゴリズムを活用しています。ボーカル、ベース、パーカッションです。ボーカル、ベース、パーカッション、その他にサウンドを分類し特定のパートを取り出したりバランス変更をすることができる。
14Spectral De-noiseスペクトルディノイズは、ノイズのプロファイルを学習し、信号からそれを差し引くことによって、静止した、またはゆっくりと変化するトーンノイズや広帯域ヒスを除去するように設計されています。テープヒス、HVACシステム、屋外環境、ラインノイズ、グランドループ、カメラモーター、ファン、風、多くの高調波を伴う複雑なバズなどに有効です。
15Spectral RepairSpectral Repairは、ファイルから不要な音をインテリジェントに除去し、自然なサウンドを実現する。このツールは、スペクトログラム/波形表示内の選択部分を破損したオーディオとして扱い、選択部分の外側からの情報を使って修復する。
16Voice De-noiseVoice De-noiseは、直感的で遅延のないデノイズ処理で、様々な素材に高品質な結果を提供する。Voice De-noiseは、音声信号をインテリジェントに分析し、信号に最適なノイズスレッショルドを決定することがきる。DAWでは、自動設定を上書きしてノイズスレッショルドを手動で修正する必要がある場合に、この機能を使用してオートメーションを書き込むことができる。
Voice De-noiseは、DAWやNLEのトラックに挿入した際に、高効率でレイテンシーゼロの適応型ノイズ除去を実現するために特別に設計されている。Spectral De-noiseプラグインは、より多くのリソースを必要とし、より高いレイテンシーを使用する。